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強風によりパラシュートがバランスを崩し、武装兵達は次々と落下していく。
「ぐあぁ!」
「ごはっ!」
武装兵の断末魔が聞こえてくる。
「あれは...大丈夫なんでしょうか?」
「まあ、あれだけの武装をしておけば死ぬことはないでしょう。」
屋上が、静かになる。
「怪我はありませんか?楓様。」
先程の声の主が風と共に俺達の前に現れる。
その姿には見覚えがあった。
「お前確か、あの時の。」
あの時とは勿論、四条唯歌と戦った時の事だ。
「はい、覚えていてもらえてなによりです。」
少女、夕凪は俺に対して深々と頭を下げる。
「申し訳ありませんが、緊急のお願いがあって参りました。」
この場に夕凪だけが来た、これが示すことなどひとつしかない。
「四条唯歌に、何かあったのか?」
「はい、唯歌が...」
「地下牢に、幽閉されました。」
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