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楓side
俺達は唯歌を救出するために夕凪に先導してもらって捕まっているという地下牢がある建物に向かって走っていた。
ただ、海先輩には来ないように言った。
生徒会長は唯歌を助けるキーマンとしてどうしても必要だし、本人も望んだので絶対としても、もし海先輩まで来てしまえば2人共を守りきれる自信がない。
そう言うと、先輩はすぐに了承してくれた。
俺の性格を知っているし、それに自分じゃ足手まといになる事を自覚しているのかもしれない。
本当に、先輩には申し訳無い。
ただ、今は唯歌救出に集中しなければ。
「そういえば、夕凪。」
「はい、何でしょう?」
「さっき風と一体化してたよな?あれって何だ?」
「あれは...特殊技能です。」
「特殊技能?そんなのルールブックに書いてあったか?」
少なくとも昨日見た限りでは無かったはずだが。
「この特殊技能は隠しスキルの様なものだと私と唯歌は認識しています。特殊技能という名前も私達が分かり易いように付けたものですし。」
「へぇ、隠しスキルねぇ...」
「私は誰でも出来るものだと認識していたので、唯歌に言われるまで特殊なものだとは気付きませんでしたが...ニース、あなたは?」
夕凪が尋ねると、ニースはう~んと言いながら首を傾げる。
「なあ、ニース。」
「...何?」
「もしかして、お前の特殊技能って...」
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