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いつもの観察をしていると、俺はふと1人の少女が目に入った。
…ヒク……ヒク…
その少女はすでに閉店してシャッターが閉まっている店の前で座っていた。
微かだが、泣き声も聞こえる。
周りを見渡すが、誰もその少女に声をかけるものはいない。
「ひでぇ奴らだな。」
こんな幼い少女が泣いているんだ、事情くらい聞いてあげてもいいだろうに…
…はあ、仕方ないか。
「…なあ。」
「…ヒク……え?」
少女は俺の声に顔を上げた。
その顔は美少女と呼ぶに相応しいような可愛さだった。
ただ、泣いたせいか目は赤くなっていたが。
「お前、こんな所でどうしたんだ?」
俺の質問に少女はびっくりした顔のまま答えた。
「あなたが…私の新しい…マスターですか?」
「………は?」
その返事は俺の想像していた答えとは大きく異なっていた…
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