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ニースside
ヴゥゥゥゥゥゥゥウ!!!
急に建物中に警報音の様なものが鳴り出した。
「な、なんでしょう、これ。」
「...さあ。」
なんだか...嫌な予感がする。
「......マスター!」
「あっ、ニースちゃん!」
彩乃さんの声が聞こえるけど今はそっちに気を回していられない。
急いで階段を駆け下りると、
「マス...タ......」
血だらけになって倒れているマスターと、マスターを刺したのであろう見知らぬ少女がそこにはいた。
「何...してるの...。」
私は少女に訪ねるが、少女は何も言わずに私へと向かってきた。
「...ふっ!」
私は少女のナイフを避け、夕凪から貰った短剣を構える。
少女はいっさいの躊躇なく、私に向かって襲いかかってくる。
(もしかして...感情がない?)
そう思える程に少女の動きには一切の無駄がない。
まるでただ殺すためだけに存在しているといわんばかりの動き。
「...えい!」
少女の攻撃を避けながら、私は反撃の隙をうかがう。
右、右、左からの突き...
「今!」
私は相手がナイフを振り下ろそうとした瞬間を狙って能力を使う。
「...速度婉曲。」
私は短剣を少女の心臓めがけて投げる。
その短剣は投げると同時に、少女の心臓を貫く。
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