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「おいおい、人のもんに手ぇ出してんじゃねぇぞくそガキが。」
かつん、かつんというブーツの音とともに、1人の男が少年と少女の元に近付いていく。
「全く、こちとら何日もかけてやっと探しだしたんだぞ。“それ”をよぉ。」
かつん、かつん。
「つまり俺の方がそれの契約者にふさわしいってわけよ。わかるか?くそガキ。」
そう言って男は少年の頭を踏み付ける。
「ああ、まあもう聞こえてねぇか…ざまぁねぇな。」
そして男は少女の方を向く。
少女は男の方を見ず、ずっと少年を見つめていた。
何も言わず、ただずっと。
「おい、こっち向けや。」
男が少女の顔を自分に向けさせようとして手を伸ばすと、
バチッ!
「ッッ!」
男の手は見えない何かに、はじかれた。
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