~戦線参加~

8/14
前へ
/115ページ
次へ
「おいおい、人のもんに手ぇ出してんじゃねぇぞくそガキが。」 かつん、かつんというブーツの音とともに、1人の男が少年と少女の元に近付いていく。 「全く、こちとら何日もかけてやっと探しだしたんだぞ。“それ”をよぉ。」 かつん、かつん。 「つまり俺の方がそれの契約者にふさわしいってわけよ。わかるか?くそガキ。」 そう言って男は少年の頭を踏み付ける。 「ああ、まあもう聞こえてねぇか…ざまぁねぇな。」 そして男は少女の方を向く。 少女は男の方を見ず、ずっと少年を見つめていた。 何も言わず、ただずっと。 「おい、こっち向けや。」 男が少女の顔を自分に向けさせようとして手を伸ばすと、 バチッ! 「ッッ!」 男の手は見えない何かに、はじかれた。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加