ステップ0・彼の理想

12/37

487人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ
  「俺は巨乳派の人間だ! 山々を見るのが好きな人間なんだよ! だから貧乳派の人間なんぞ知ったこっちゃない! あくまで俺の主観による、俺の持論を語らせてもらう! 貧乳はステータス? はっ、笑わせるぜ!」 理論的に攻めても正論に勝ち目は無いし、そもそも理論的に攻めるとかいう高等技術を使えないので、半ばヤケクソで捲し立ててやった。 「ちょっ、いきなりどうしたの光太郎!?」 「うるせぇ貧乳派め! 貧乳の良さなんぞ俺には分からんわボケが!」 「僕は光太郎の事が分からなくなってきたよ……」 うん、自分でも自分が何言ってるのか分かんねぇわ。 「さぁ、貧乳派の貴様に巨乳の良さを分からせる為の講義を続けるぞ!」 強引に軌道修正。 人間、強引なくらいが丁度いいのよね。 「……はい」 「眺めるのもいいが、やはり乳は揉んでこそ! 揉むなら、やはり揉み応えがあるほうがいいだろうが!」 「……はい」 もうコイツには何を言っても無駄だ、みたいな諦めムードが円から漂ってる。 「ありふれた表現になるけど、たわわに実ったって言葉がしっくりくるのが乳だ! それ以外は乳ではない! あえて言おう、まな板であると!」 「……はい」 さっきからツッコミ所を用意してるんだからツッコめよ。 仕事放棄してんじゃねぇぞ主人公。  
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

487人が本棚に入れています
本棚に追加