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しかし、これは中々に難しい要望だな……。
一つ目の案件、「友達が欲しい」は苦もなく達成できるだろう。俺が何かしなくても、円の人柄さえあれば、クラスどころか学校丸ごと友達にできる。
友達百人云々も夢ではない。
問題なのは二つ目だ。
円が欲する物なら、どんな事を手に入れてやる覚悟もある。
彼女が欲しいと言うのならば、それに相応しい人物を連れてきてやる。
しかし、そこからは完全に円次第なのだ。
俺がいくら彼女候補を斡旋――言い方は悪いかもしれないが――しようが、コイツの気持ちが傾かなければ、恋人なんて出来やしない。
少しでもコイツの好みに合った相手を引き合わせてやりたいが、その手の質問をぶつけたところで、友達の時の解答が返ってくるのは明白だ。
手がかりは無し。暗中模索とはこの事か。
さて、どうしたもんかね。
「……どうしたの? 額に皺寄せて。何か考え事?」
心配そうに、俺の顔を覗き込んでくる円。男相手にそういう行動はやめてくれ。
「ああ、中々に厄介な問題があってな」
「手伝おうか?」
こっちが困っていると見れば、すぐさま手を差し伸べてきやがる。まったく、この主人公様は……。
「いや、いい。気持ちだけ受け取っとくわ」
お前の事だから手伝えないし、何よりコレは俺がしなけりゃならない事だしな。
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