ステップ0・彼の理想

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  しかし、フワッと断られたくらいじゃヤツの主人公気質が収まらないらしい。 見ろ、円の「光太郎、僕に心配させまいと口先だけで大丈夫って言ってるだけで、ホントはとても面倒な状況に陥ってるんじゃないのかな? 僕に、何か出来ることは無いかな?」って顔を。 中々に長く深い付き合いだし、それくらいは分かる。円はしょっちゅうこんな顔してるしな。心配しすぎ。 さすがに心配されっぱなしってのもイヤなんだが……どうするかな。 よし、あの手でいくか。 「……しっかし、お前の彼女かぁ。全然相手が想像できねー」 「……そ、そうかな?」 いきなり話題を戻したことに少し面食らったようだが、さすが円。ちゃんとついてきてくれる。 後は勢いで押していけば……。 「できねーよ。巨乳なのか貧乳なのかすらも」 「そこ!? そこが重要なの!?」 「重要に決まってるだろうがボケ! バカかお前は!?」 「え、なんで怒られてるの!?」 何が何やら、といった感じでツッコミをしてきた円に対し、 「バカ野郎! 彼女を選ぶ際の第一条件なんて、乳に決まってんだろうが!」 俺は声高らかに言い放った。 円の言動に聞き耳を立てていたのであろうクラスの女子がドン引きしたのが空気で分かったが、知ったことか。 「なんか変態っぽいよ、光太郎……」 円は、哀れむような目で俺を見ている。 ……しかし、しょうがないのだ。ラブコメ主人公の親友ポジションは、親友というアビリティを持つと同時に変態キャラも有しているのが鉄板なのだから。……偏見かもしれないが。 誓って言うが、コレはポーズなだけで、ホントはそんな事思ってないからな?  
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