ステップ0・彼の理想

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  果たして、作戦は概ね成功したらしい。 ヤツは先程までの心配なんて毛ほども覚えてはいないようで、ひたすら哀れんだ表情でこちらを見ている。 さすがにここまで引かれると、なんだか大事な物を失ってしまった気がしないでもない。 が、致し方ない。何かを成し遂げる為には犠牲が付き物なのだ。等価交換、等価交換。 「で、円は大きいのと小さいの、どちらが好みよ?」 調子に乗って畳み掛ける。勢いって大事! 「ん、ん~……、どちらでも大丈夫だよ」 はい来た予想通りの模範的解答。 猫被ってるわけでも何でもなく、実際そう思ってそうだからなコイツ……。 「こ、光太郎は?」 あまりこの話題には乗り気では無いらしく、恐る恐る聞き返してくる円。まぁ、当然といえば当然だよな。 まぁ、俺は変態キャラを貫かなければならないので、 「大きい方が好きに決まってる!」 即答してやりましたよ、ええ。 ……違うからな? 本当はこんなキャラじゃないからな? 大きい方が好きなのは否定しないけど。 「ふ、ふ~ん……。そうなんだ」 おいこら円。 それが親友の、恥も外聞もかなぐり捨てた発言に対する感想かよ。普通にドン引きしてんじゃねえ。  
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