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果たして、作戦は概ね成功したらしい。
ヤツは先程までの心配なんて毛ほども覚えてはいないようで、ひたすら哀れんだ表情でこちらを見ている。
さすがにここまで引かれると、なんだか大事な物を失ってしまった気がしないでもない。
が、致し方ない。何かを成し遂げる為には犠牲が付き物なのだ。等価交換、等価交換。
「で、円は大きいのと小さいの、どちらが好みよ?」
調子に乗って畳み掛ける。勢いって大事!
「ん、ん~……、どちらでも大丈夫だよ」
はい来た予想通りの模範的解答。
猫被ってるわけでも何でもなく、実際そう思ってそうだからなコイツ……。
「こ、光太郎は?」
あまりこの話題には乗り気では無いらしく、恐る恐る聞き返してくる円。まぁ、当然といえば当然だよな。
まぁ、俺は変態キャラを貫かなければならないので、
「大きい方が好きに決まってる!」
即答してやりましたよ、ええ。
……違うからな? 本当はこんなキャラじゃないからな?
大きい方が好きなのは否定しないけど。
「ふ、ふ~ん……。そうなんだ」
おいこら円。
それが親友の、恥も外聞もかなぐり捨てた発言に対する感想かよ。普通にドン引きしてんじゃねえ。
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