本の森
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そして、あの瞬間がやってきた。 すべてが薄いミルク色の霧につつまれ、見えなくなった。 その人の咳き込む声が聞こえた。 電気はいつの間にか消えてしまっていた。 それからしばらく、その状態が続いていたが、咳はしばらくしてやんだ。 音はほとんどきこえない。 音を発するのは、ただ、その人だけ。 あとは何もなかった。
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