君が為逢いに行く

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「母上、私は前々からお会いしたいが人のため今まで努力をつんでまいりました。 そしてこの度、ようやくその方にお会いできるかもしれぬのです。 今までお世話になり、立派なご恩を返すこともしていないのに大変もうしわけないのですが、 勝手を承知の上お願いがございます。 この家から離れる事をお許し願えないでしょうか。」 「何を申しておるのですか。 女が人を守りたいなど言語道断。 女は黙って男の帰りを待てばいいのです。」 「お言葉ですが… 女は守られるだけに存在しているのではありません。 女だって人を守ることは出来るはずです。」 「馬鹿なことを言うんじゃありません! いいですか? 私は絶対に許しません。 この話はこれでお終いです!!」 母上は最後に言い放つと肩を怒らせながら部屋を出て行ってしまった 予想はしていたけど……中々上手くいかないものだな。 眉をさげ溜め息をはく 私は四年前、ある場所で倒れていたらしい。 なぜそこで倒れていたのかは分からないが、倒れる前の記憶が残っているのは不幸中の幸いだ。 私は今から150年ほど先の未来からやってきた そこでは高校二年生をやっていて友達も部活も勉強も何もかもが全て充実していた でも学校から帰ってきたある日 私は知ってしまった 両親が私の本当の両親でないことを… 信じられなかった。 世の中には自分よりもひどい現状の子だっている。 それでも生きている子だっている。 頭で理解していても心がそれを受け入れられなくて 数十年間ずっと一緒に過ごしていて、その間ずっと裏切られていて… 私は家を飛び出し走った。 ただひたすら、無我夢中に走った。 そして目を覚ましたらこの家の人に拾われていたのだ
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