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景色は全てが焼け焦げていた。家、公園、集会所、村長、隣のおばさん、近くのセン姉さん、カン兄さん、父さん、母さん、妹のリル。
何故自分だけが焼けていないのか疑問だった。
何故自分だけが生きているのか分からなかった。
綺麗だった村の景色は赤色に染まり、建物は崩れ、肉の焼ける臭いが胃の中の物を吐き出させようとする。
その巨体は村で一番高い建物より高く、黒い体毛に覆われ、四肢はしっかりと地面を穿つように着き、鋭い牙が人間らしき物体を突き刺し、長く伸びた爪が建物を破壊していき、口から吐かれた息が村を燃やしていく。
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