物語

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この森の言語は オト。 音で話す。 少女はこれらを覚えるのに 丸1年掛かっている。 微妙に変えるアクセントや 強さ弱さ、長さ など。 細かく定められているのだから、当たり前と言えば当たり前だろう。 マスターまではしていないものの、日常会話くらいはできるようにはなったのだ。 この、肝心な音を出すために 少女は懐から小さなまな板のような、ベニヤプレートを取り出す。 “小人”の少女も、取り出す。 このプレートは 日常で使うものであって 正式な会話などでは 正式に、楽器を使って会話をする。 ベニヤ板は ただの持ち歩き用だ。 まずは小人が 話しかけた。 「(果物 は とれたか)」 「(はい たくさん)」 ぎこちないものだが、 これで成立している。
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