*2 大切なもの

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中から、薄いレモンの香りがした。 小さな紙が一枚。 だいぶ古いけど、 まだ字が読めた。 そこには お母さんが悩んでたこと、書いた人が重い病気のこと、そして… その人は本気で お母さんを想っていたことが書いてあった。 「桃…」 後ろを振り向くと お母さんがあたしを 見つめていた。 「『海野大貴』って…これって…」 「さっき、夏輝くんから電話があって…全部聞いたわ。」 嘘…でしょ? 「…バカなんじゃないの!?分かってるの?結婚もしていないのに…それに、夏輝くんのこともあるじゃない!」 お母さんは半泣き状態で叫んだ。
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