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中から、薄いレモンの香りがした。
小さな紙が一枚。
だいぶ古いけど、
まだ字が読めた。
そこには
お母さんが悩んでたこと、書いた人が重い病気のこと、そして…
その人は本気で
お母さんを想っていたことが書いてあった。
「桃…」
後ろを振り向くと
お母さんがあたしを
見つめていた。
「『海野大貴』って…これって…」
「さっき、夏輝くんから電話があって…全部聞いたわ。」
嘘…でしょ?
「…バカなんじゃないの!?分かってるの?結婚もしていないのに…それに、夏輝くんのこともあるじゃない!」
お母さんは半泣き状態で叫んだ。
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