*3 生きる

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あたしは急いで海に向かった。 悔しくて悲しくて… どうしたらいいか わからなくなってしまった。 なっちゃん… ごめんなさい…。 この子を… 守れないかもしれない。 「あの…このタオル、貸してくださった方ですよね?」 後ろから声が聞こえた。 涙でぐちゃぐちゃになっていた。 振り返れない。 「僕、実は…やっかいな病気になってしまって…。なんか…いろいろ迷ってるんです。」 やっかいな病気? 「気になる人が出来たのに…その人に近づくのが怖くて。」 「そうなんだ…。あたし、ここにいるだけで辛いの…助けて?」 情けない。 知らない人に助けてなんて。 「自分も叫びたいです。」 あたし… 死んじゃおうかな。 この子と一緒に。 「一緒に死んじゃう?」 …何いってるんだ。
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