13人が本棚に入れています
本棚に追加
「その子と、愛する人を大切にしなさい。お母さんも、それを望んでるはずだから。」
あたしは迷わず頷いた。
理解してくれないって、
ずっと思い込んでいたから。ありがとう、お父さん。
「お母さん…」
リビングに戻ると、
なっちゃんが涙を流していた。
「俺のせいなんです。本当に、申し訳ありませんでした!」
お母さんに向けて土下座をしていた。
「でも!自分は…桃さんを大切にできる、幸せにできる自信があります。決して、辛い思いをさせたりしません。なので…」
なっちゃんは顔を上げて
あたしを見つめた。
にっこり微笑んでから、
真剣な顔に戻りお父さんを見た。
「娘さんを、俺にください。」
最初のコメントを投稿しよう!