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その夜陽一さんのお義母さまとお姉さまからも電話をいただき、大層喜んでもらった。
お姉さまはふざけて
「私より先に結婚した揚句、私より先に子供をはらませるなんてあいつも隅に置けないわね。」
と言っていた。
もちろんあいつとは陽一さんのことだが。
陽一さんのお姉さんは(普段は)穏やかな陽一さんとは違ってかなりさばさばした女性だ。
言いたいこともずばずば言うし、特に陽一さんへの風当たりも厳しい気がする。
だが別に嫌いとかそういうものではなくて、弟がかわいいからちょっかい出したいのだ、と以前に教えてくれた。
陽一さんにちょっかいばかりだしてずけずけものを言うお姉さんに、陽一さんはいつも
「それだから嫁の貰い手がないんだ。少しは楓さんを見習ったらどうですか。」
と嫌味を返している。
まあなんだかんだで仲が良い姉弟なのだ。
そんな二人をみているからこそ、自分の子供に兄弟を作ってあげたいと思ってしまう。
まだ一人目でさえ豆粒なのに、もう二人目のことを考えている私って、とちょっと笑った。
意外ともう『母親』になってきてるのかな、なんて思ったりした。
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