あとがき

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読みさしの本をぱたりと閉じて 夢想に自分で幕引きをする 地球儀をぐるっと回し指を押し当ててみた 指紋をわずかに擦り取って止まった一点 小説をなぞらえて主人公気分 水筒、コンパス、皺くちゃの地図 今まで頭に詰め込んできたものは バックパックに入れてもしょうがない 線路をどこまでも追ってみようか 危険は踏切が知らせてくれるさ 街道沿いをずっと歩いてみようか 似て非なる物語が書けそうだ そうして旅から帰ってきて この本を再び開いたとき 果たして何を想うのだろう 創作したストーリー 最後に一文だけ追加させてもらおう 人はそれをあとがきと呼ぶ
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