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騎士は戦(いくさ)の花形だった。
鈍く光る銀色の甲冑に身を包み、風の如く戦場を駆け抜ける様はまさに戦の花形そのものであった。
──魔法が開発される250年前までは
魔物に対抗するために生み出された技術“魔法”。
森羅万象の自然を強制的に従わせることによるこの新しい技術は瞬く間に絶大な威力を発揮し、一気に戦の主力となった。
この魔法の当代により、従来の密集・集団戦法は時代遅れとなり、今や戦法の主流は4~5人のグループ毎のゲリラ戦へと移った。
そんな機動力にとんだ小グループ戦法にかっての花形騎士達はもはや能なしとなったのだ。
従来、国防の主力として貴族としての地位を与えられてきた騎士達は新興の魔法使い達にその座を分けあたすため次々と没落していった。
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