第一話~本能寺の変~

13/13
前へ
/104ページ
次へ
本能寺の変のその後は当初の予定とは大きく違っていた。 案の定、秀吉は直ぐ様京に駆け付け光秀に書状を出した。 信長の首を朝廷に届ける手筈を整えたい。 これに光秀が首が見付からなかった。 と返したのだから秀吉は怒った。 何故首がないのだ!と。 それもそうである。 確たる証拠もなく信長を打ったと言っても誰も信じない。 それでは意味がない。 しかももう一つの狙いであった家康暗殺も失敗に終わった。 これに際して秀吉は敢えて信長がまだ生きていると言い、あろう事か光秀一人 に罪を背負わせて彼を討ち取ったのである。 正に秀吉の一人勝ちだった。 一方、死地を切り抜け、懐かしい清洲の地にある山奥に入って行った慶次。 しばらく進むと拓けた場所に出た。 そこは清洲の田畑や街並み、全てが見える高台だった。 そこに穴を掘り二つの首を埋めた。 高台の先に立った慶次は遠い昔の記憶に想いを馳せた。 第一話 本能寺の変 了
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加