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かくして、儀式らしい儀式もせずに宗兵衛……いや、慶次は元服した。
その後、母と共に前田家に向かい慶次は育てられるのであった。
慶次は前田家に来て特に驚く事が二つあった。 一つは利久の弟が以前会った紅の若者の利家である事。
もう一つは連れ子でありなから前田家の嫡男として迎えられた事。
本来なら連れ子の身である慶次が嫡男として扱われるのは酷く異例であった。
それ故この事が後に大きな波紋を抱く事になるのだが、幼い慶次にはそんなこ とを知る由もなかった。
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