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本能寺には極少数の兵士しかおらず、もし攻 めて来た軍が大軍なら絶体絶命の状況だ。
次いで信長はアフリカ出身の小姓、彌介に女中や戦闘出来ない者を連れて逃げよ、と命じた。 急ぎ逃亡の準備をして部屋を後にした彌介。
それに続いて蘭丸が息を切らし入って来る。「分かったか?」 信長の問いに蘭丸は肩で息をしながら頷くと 驚くべき事を告げた。
「水桔梗の旗印……。明智光秀様、謀反と見えます!」
どう考えても勝てる見込みがない。 もはやこれまで、察した信長は立ち上がると 「是非もなし」小さく呟くように言うと部屋 を出て行く。小姓たちも後に続いた。
中庭辺りでは明智勢と信長に着いて来た僅かな兵士たちが戦闘を繰り広げていた。 中でも孤軍奮闘していたのが信長に仕えてまだ間もない八代勝介であった。
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