第一話~本能寺の変~

5/13
前へ
/104ページ
次へ
勝介は重傷を負いながらも戦い続けるが奮戦も虚しく、ついに力尽きてしまう。 ぐったりと倒れてしまった。 勝介の首を取ろうと寄って来た明智兵が声を 出す。 「むっ!貴殿は馬術指南役の八代勝介殿!ま だ信長公に仕えて日が立たぬ貴殿が何故ここ まで…!」 瀕死の勝介がこれに答える。 「真に仕えるべき主を見つけた者に期間など 関係あるものか……それに……約束したの だ……。」それを言うと勝介は息を引き取っ た。 兵士は勝介が言った約束、が気になったがそれを知る術はもうない。 「光秀!出て参れ!」大声を上げながら信長が手に持った弓を敵兵目掛け放つ。 しばらくすると奥の門から紅い甲冑姿に身を包んだ明智光秀が現れた。「朝敵織田信長!お命頂戴に参った!!」 光秀の言葉に信長はこの謀反が光秀一人の独断では無いと確信した。 朝敵・すなわち天皇の敵と言う意味である。この謀反の背後には朝廷がいたのだ。 「で、あるか……。」前々からどんどん権威 を増す信長に朝廷が嫌悪を抱いているのは 重々知っていた。 だが、まさか今この時に狙われるとは……。 しかし信長は今さらながらピンと来た。 光秀が中国行きを遅らせたのはこの時を狙ってい たのだと。 そしてある疑問を光秀にぶつける。 「裏にまだ誰かいるだろう……?申せ!」 確信はないものの、もう一人、怪しい人物がいた。 この問いに光秀が答えた。 「羽柴筑前守秀吉!そして…」
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加