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その真司の発言にイラッときたのか、キリアは咄嗟に真司との間合いを詰めてナイフで斬りかかってきた。
真司は右手に持った鮪剣でしっかりとナイフを受け止める。素早く振り抜かれたキリアのナイフは、受け止めた時に女の子が振ったのかと疑うくらい重い斬撃だった。
「闇鮪大帝……グロス様の為に死んでもらう!」
キリアの目はまるで獲物を狙う獣のような鋭さがあった。
さらに両手に持ったナイフを自在に操り、手数で真司を追い詰めていく。本気で命を取りに来ているのがはっきりと伝わってくる。
「ちょっ、マジで殺りに来てるじゃん。何か俺に恨みでもあるの?」
「恨みなどない。帝国の勝利の為に私はお前を殺す」
表情一つ変えずにキリアは正面からナイフを振り回してくる。
真司もそれに対応するように銃で受け止めているが、向こうの方が攻撃速度が早く、ややてこずっている模様。
「埒が空かない……。……これなら!」
キリアは力任せにナイフを振る。そして銃で受け止めた真司を後ろへ吹き飛ばした。
攻撃へ更なる隙が生まれる。それを逃さずに、キリアはナイフを突然空へ放り投げると何やら魔法の詠唱を始めた。
真司が体勢を立て直し、立ち上がった時にはキリアの周りにファン〇ルのようにナイフが魔力を帯びて浮いていた。
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