勇者がイケメンって設定はどこから生まれたのだろうか

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居合い斬りの動きから繰り出されたミョンの技は、彼女の前方に大きなスキマを作り出し、その間合いに火球が入ってきた。 そこに入ってきた直後、火球は無数の斬撃に切り刻まれ、最後にスキマの中に幽閉されるようにスキマへと消えていった。 「……嘘だろ!?」 その技を見てただ驚くことしか出来ない真司。一方のエリウスも何が起こったのかわからず、豆鉄砲を食らったような顔をしている。 「ちょっと距離が足りなかったですね」 悔しげに呟くミョン。レウスに命中はしなかったが、その威力はかなり強力であることを周りに見せつけた。 「でも次は外しませんよ。正直こんなに斬りがいのある相手は久しぶりですからね」 不敵な笑みを浮かべながらレウスに近づくミョン。再び火球のブレスを吐いて攻撃するが、ミョンはそれを刀の一振りで跳ね返す。 跳ね返された火球はレウスの顔のすぐ側を掠めていった。 その後、威厳のある咆哮を見せていたレウスは、ミョンが近づいてくると後退りを始めた。 「レウス!?」 「グオォゥ……」 攻撃をせず、ただ後ろに下がってゆくレウス。 しばらく様子を見た後、一向に攻撃をしないレウスを見てエリウスが言った。 「どうやら降参らしいぜ」 「マジか。ミョン、終了だ!」 レウスの戦意喪失によってミョンの勝利が決まった。 そのことをミョンに伝えると、ミョンは悔しそうな顔をしながら刀を納めた。
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