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「それで、勇者のところにはいつ行くんだ?」
本題を思い出した邪帝が真司に尋ねる。
元々はこの授業でキールに一泡吹かせ、更にその使い魔であるアンヴァルという天使を真司のものにするのが目的だ。
「う~ん、授業の最後らへんで勝負しようと思ったけどそれだと休み時間がなくなる気がする」
「では、どうするのですか?」
刀を研ぎながらミョンも聞いてきた。
「回りくどいことは無しだ……。今からキールの所に行って奴からアンヴァルを解放する!」
即決した真司。さっさと勇者をボコりたい気持ちとアンヴァルを手に入れたいという両方の気持ちがそれを後押しした。
「まぁいいでしょう。斬り損ねた分の穴埋めになってくれるのならば……」
もうミョンは目の前の敵を斬ることしか頭にないみたいだな。
刀を必要以上に研いでいるし……。んっ、ちょっと待てよ?
「おいミョン。斬るって勇者の使い魔をか?」
「はい」
ミョンは真司の質問に即答した。このままでは計画に支障が出てしまうことを、真司は今気づいたのだ。
「ミョン、それはやめろ。アンヴァルを斬り刻むことは俺が許さんぞ」
真司はミョンにキールの相手をして、もしキールがアンヴァルを使ってきた場合、アンヴァルを手に入れる前にミョンに斬られてしまうことを恐れたのだ。
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