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「行列が吹っ飛んだ!?一体誰が……」
キールは行列のいた方を見る。
そこには一人の男子生徒がこちらに向かって歩いてきていた。
「やあやあ、勇者君」
その声の主は真司=キリュウ――ロリコンで幼女好きな変態オタクチート野郎だ。
「おいナレーションww自重しろww」
お前がな。
そんな主人公がキールを睨みながら近づいてきた。
「君はあのツナ缶君だね。僕に何の用かな?」
名前を呼ばれるかと思いきや、ツナ缶君のアダ名で呼ばれた真司。
普通の人ならバカにされたと怒る筈だが、真司はこれを誉め言葉として捉えていた。
「お前と使い魔で勝負だ。拒否権はない」
はっきりとした声で勝負を挑む真司。キールはそれを聞くと、鼻で笑いながら返事を述べた。
「フン、いいでしょう。ツナ缶の借りもありますからね。それに――」
キールは魔力を解放しながら真司の目を見た。何かが見えたのだろうか。
「一度君に痛い目を見てもらおうと思ってね。チート能力を得て脇役キャラに立ち、主人公を苛める君みたいな奴が気に入らないんだよ!」
主人公の立ち位置である勇者キールは、脇役チートキャラの嫌な部分を真司の前で堂々と言い放った。
「逆に俺は主人公になって世界を救い、英雄気取りになりながら数多の女の子とハーレムしているお前みたいな奴が大嫌いだぜ」
キールに負けじと真司も言い返す。戦いの前には決まりともいえる罵り合いがあるようだ。
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