勇者がイケメンって設定はどこから生まれたのだろうか

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「戦いは熱くなったら負けるよ。頭を冷して冷静に行こうよ」 この時、一時休戦とも言える攻撃をしない時間が生まれた。 アンヴァルはドナルドの言う通りにシェイクを受け取り、それを休憩の一環として飲み始めた。 「アンヴァル!何をしている!早く攻撃するんだ!!」 外では最大の隙を見せているドナルドを攻撃しろ、と必死に命令しているキールがいた。 真司も外から見ていたが、あまりにもキールが煩いのでツナ缶直撃&マヨネーズ目薬の刑に処してやった。 もちろん後悔も反省もなしだ。 「ドナルドは、お喋りがだぁい好きなんだ。もっとお話ししようよ」 笑顔で語りかけるドナルド。 少しの間静寂が訪れた。 おっ、これは交渉に入るのか? 「……」 黙り込んでしまったアンヴァル。しかしその表情は明るかった。 「アンヴァル……?」 マヨネーズまみれになった顔を拭きながら、主であるキールがアンヴァルに問いかける。 「……しい」 ん?遠くにいるせいか、うまく聞こえなかった。 「美味しいです!!こんなの、初めて食べましたよ!」 まさかのマック初体験だったアンヴァル。天界にはマックがないのだろうか。 「ドナルドさんありがとうございます!……でも勝負は勝負です。決着は戦ってつけましょう!」 何故か元気になったアンヴァル。結局交渉は失敗し、相手の体力を回復させただけに終わってしまった。
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