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「アラ~、お話し失敗しちゃたよ」
相変わらずふざけているドナルド。これの中が暗黒紳士な邪帝だと誰が気づくだろうか。
「仕方がない。ここは俺がやるしかないか……」
ここで真司が動いた。動いたと言っても何か行動に移したのではなく、アンヴァルに対して念話をし出したのだ。
《……聞こえるか?》
ドナルドの投げてくるハンバーガーを剣で弾いていると、突然誰かから念話が入ってきた。
《誰ですか?》
《テメーの主の相手の真司だ》
その声を聞くと、アンヴァルはドナルドの奥にいる腕組みをしている男子生徒に目をやった。
彼が多分真司なのだろう。
《……何の用ですか?》
《単刀直入に言う。お前、この戦いが終わったら俺の使い魔にならないか?》
その言葉にアンヴァルは耳を疑った。戦場でヘットハンティングとはまさにこのことだろう。
《お前の兄から勇者の使い魔を辞めるように言われている。これは本当だ》
内容はとても嘘っぽいが、実際に大天使は勇者の使い魔を辞めさせるように真司に依頼を出している。
《そんな……》
《このまま勇者の使い魔で居続ければ、大天使は天界から属性神と共にお前を粛清しに来るだろう》
《何故……何故ご主人様と一緒にいるのがいけないのですか!?》
念話越しにアンヴァルの声が大きくなってゆく。
最後にぶっちゃけると大天使は、勇者のハーレムに自分の妹が加わるのを恐れているのだ。
故にキールを嫌っているらしい。属性神は知らんが……。
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