6147人が本棚に入れています
本棚に追加
/628ページ
《アイツが勇者だからだ》
真司はハッキリと言い放った。
《何で……何でご主人様の肩書きだけで辞めろと言われないといけないんですk……》
「ルー!☆」
いつの間にか念話の内容に引き込まれ、戦いの意識が薄れていたアンヴァル。
不意に飛んできたハンバーガーに直撃し、念話が途切れてしまった。
「邪帝の……アホ!」
真司は心の中で邪帝を怒鳴り付けた。
そんなこと言っても邪帝はお構いなしにハンバーガーを投げ続けている。
よく見るとたまにチーズバーガーを投げているようだ。
「ドナルドは重たい空気になると、ついやっちゃうんだ!」
腹が立つ笑みで言うドナルド。シリアスムードが壊された以上、アンヴァルを引き止められるのはドナルドしかいない。
「そうでしたね。貴方との勝負もそろそろ終わりにしましょう!」
戦いに戻ったアンヴァルは剣に魔力を流し始める。
その刹那――ドナルドが一気にアンヴァルとの距離を詰めた。
隙を見つけたかのように全力で駆け寄るドナルド。その右手には――やはりシェイクが握られている。
「ドナルドは喜ばれるともう一回やっちゃうんだ!」
そうして再びアンヴァルにシェイクを飲ませる。
もう戦いでも何でもないよコレ。ただシェイクで餌付けしているようにしか見えないよ。
「全部飲みきったら今度はハンバーガーをあげよう」
「んぅ……、おいひいれふぅ~」
シェイクを吸いながら笑顔のアンヴァル。既に敵意と戦意の両方が喪失しているように見える。
あぁ……めっちゃ可愛い。
最初のコメントを投稿しよう!