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「シェイク……欲しい。でも……ご主人様を……」
アンヴァルは悩んでいた。
好物を手に入れる為に一人の主を犠牲にしなければならないからだ。
その犠牲の重さから中々決断ができないままでいた。
返事が来ないドナルドは、アンヴァルの飲み残したシェイクをアンヴァルが考えている間に全部飲み干していた。
てかテメー、勝手に間接キスしてんじゃねーよ!!
うらやま……けしからん!
とりあえず邪帝には後でツナ缶油で目薬の刑をしてやろう。
「ドナルドはあんまり長いこと待てないんだ」
うっせーよ、黄色い悪魔。モスバーガー食わすぞ。
真司の怒りがドナルドへと向けられている。
「でも……私はご主人様の使い魔!確かに………美味しかったけど……シェイクの1つや2つで……私は動きませんよ!」
「なら3本でどうかな?」
「これからよろしくお願いいたします!」
ドナルドが3本のシェイクを出した瞬間、アンヴァルは片膝をついてドナルドの前に跪いた。
まさかのシェイク3本で買収成功である。
そしてこの時――
シェイク3本>勇者
――という式が成り立ったのだ。
「勇者シェイク以下とかwww」
草を生やせざるを得なかった真司は、3本のシェイクを飲んで幸せそうな表情をしているアンヴァルを見る。
おっと、鼻から何かが出てきそうだ。
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