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「真司さんから聞きましたよ。貴方は勇者として世界を救う使命を持った以上、英雄として全ての男子から妬まれるリア充の化身となったことを」
うん、確かにそう言っだけれどもアレはちょっと話を盛って話していたから流石にそこまではいかないんじゃないかな……。
カシャッ。
誰かがキールを撮影していた。
使っていたのは邪帝で、いつの間にかズボンのポケットに入れていた筈のiphone5が無くなっていた。
ちなみに発売日当日に大天使がご褒美にくれた。
「む……真司、これを見てみろ」
「なんだ?あとお前、俺のiphoneをパクったからやっぱりマック奢らねーことにしたわ」
「そうか……(´・ω・`)」
真司の役に立とうとした邪帝だが、それが仇になってしまったようだ。
iphoneに表示されたのは――勇者のプロフィール的なデータ。
身長体重は勿論のこと、自分を取り巻く交遊関係や昨日の夕食は何だったか等を調べることができるプライバシーを完全に無視したある意味凄いアプリを開いていた。
「やっぱり……俺の予想は正しかったか」
真司はニヤリと笑って話を続けた。
「やはり勇者はリア充の化身だ。それをこのiphoneが証明している!」
そこでiphoneに書かれていたのは――キールは1ヶ月前にとある世界を崩壊の危機から救い、英雄としてその世界とこの世界に称えられる。
そして学園に帰った後、その肩書きと美形な容姿で学園中の女子の人気を掴み、既に複数の貴族出身の女子と親しい関係にある。
昨日の夕食はサーロインステーキ
――と、書かれていたのだ。
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