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「クロじゃねーか」
真司が証拠をキールに見せる。だがキールはここで退くような男ではなかった。
「違う!それは世界を救ってからの話だ!それ以前は普通だ」
世界を救った後、ハーレムルートへ入っていったことは認めたが、それ以前は健全な勇者だったと主張する。
「誰も個人情報無視ってことをつっこみませんね……」
三成から元に戻ったミョンがボソリと呟いた。
「世界を救おうが救わないとかは関係ない。どうであれテメーは勇者の王道であるハーレムルートへ入ってリア充の化身になった訳だ。その事実は変わらん」
過去を掘り下げようとしたキールを無視して無理矢理話を纏めた。
だってこのまま重い話をしてもつまらないじゃなイカ。
「つまり、私との関係は遊びだった訳ですか……」
アンヴァルの声がさらに低くなっている。マジで怒っているのか。
「それは違う!お前は俺の最初のパートナーじゃないか!あれだけ俺を信頼してくれていたのに……何故ソイツについた!!」
キールの顔が段々涙目になっていくのがわかった。
勇者ざまぁwwwこうなったのは自分が悪いのだよ。
「私は貴方の期待に応えるべく今まで貴方に仕えてきました。でも兄様やご主人様の話を聞いて少し疑問に思ったんです。
本当にこのままでいいのかって……」
どうしよう。しばらくこの重たいムードから抜け出せる気がしない。
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