6149人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴方は私を信頼してくれたとしても、それは単なる言葉遊びだった訳なんですね!」
「違う、俺はお前が一番なんだ!お前を一番大事に思っていたんだよ!」
遂に泣き出してしまったアンヴァル。
本当は悲しむところなんだが真司は必死に笑いを堪えていた。
《おい真司、勇者マジの説得だぜww》
《アンヴァル演技上手杉wwこんな状況で本当の理由なんて言えねぇよwww》
「俺は初めてお前に会った時、運命を感じたんだ。
――お前となら、どんな困難でも乗り越えて行けるって」
「嘘乙!」
キールが話し終えると、目の前にツナ缶がキールの鼻に直撃した。
「どんな困難でも乗り越えて行ける?じゃあそこのペガサス必要ないんじゃないか?」
ヴァルハラを指差しながら、真司はスポイトでツナ油をキールの目に注入する。
「それは……アッ―――!!」
この瞬間、キールは地べたで悶え苦しみ出した。
掘られた訳ではないのでご安心くださいませ。
「もうどうでもいいや。コレ動画に録って帰ろ」
悶えているキールをカメラに収めていると、授業終了を告げるチャイムが鳴った。
「都合良すぎですね」
「ご主人様、邪帝さんの分のマック奢って下さいね」
録り終えると見事な演技を見せてくれたアンヴァルが腕を掴んできた。
何故女子は男子の腕を掴む時に胸に当たっていることに気がつかないのだろうか。
「結局奢るのかよ……」
ため息混じりの声で真司一行は闘技場を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!