マグロとエビの仁義なき争い

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「クソッタレ!ぶっ潰してやる!」 小高い丘からロケットランチャーが真司に向けて乱射される。 その鉛弾の雨を真司は背中の赤刃の鮪剣トゥンヌスを抜き、ペン回しの要領で高速回転させて弾いてゆく。 またその弾いた流れ弾が周囲の帝国兵や戦車に当たったりと、地味に損害を与えていったのだ。 「降伏した方がいいのはお前らなんじゃないのか?無駄な犠牲出さなくて済むぜ?」 「余計なお世話よ」 真司の声に誰かが反応したようだ。その声は小さく、低いトーンだったが、声質からして女の子の声だった。 「……っ、そこか!」 戦車団の中へと一発発砲した真司。今後は鉛弾だったが、それをナイフのような刃物で相殺された。 「グロス様の言う通りツナマヨを使うのは本当なんだな」 戦車団の奥から物静かそうな蒼髪の女性の帝国兵がナイフを持ちながら現れた。 「でも単騎で突っ込んで来る辺り、頭の悪さが伺える」 「なんだお前。初対面の人には自己紹介をするのがマナーだろうが。新キャラなら名前ぐらい名乗れよ」 真司は女の子に命令口調で話す。既に剣と銃を彼女に向けていて臨戦体勢も整えている。 女の子は真司を警戒しながら、手に持っていたナイフを小さい砥石で擦り始めた。 「キリア=ミランジェ。オッドシャドウサブリーダー」 「うん、カタカナばっかで読みづらい」 今のがキリアの自己紹介における真司の率直な感想である。
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