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「そんなに笑うなよ……。私にだって女の子らしい趣味の一つや二つくらい……」
俺が笑い飛ばしたのを見るとしょぼくれた様子で麻理奈はそう呟いた。
「あっ……。悪いな」
そんな彼女を前にした俺も流石に悪いと思い笑いなしで謝る。
そうだよな。いくら男勝りだって言っても中身は女の子。
その趣味を笑うのは野暮ってものだな。さてと。それよりコイツはどうしようか?
「ところでアンタ? 自分がしたことわかってんのか? これは立派な犯罪だぞ」
「……すみません」
「だいたい彼女のどこが良いんだ? 見て分かる通り、明らかに人の皮を被ったボスゴリラだぜ?」
「ちょっと横山ァ! どういう意味だよ!」
「ジョークだよジョーク」
もうちょっとおしとやかな性格だったら可愛いのに。でもこの人も見た感じだと反省はしているようだ。
なら次に取るべき行動は分かってる筈だよな?
「反省しているなら自首するべきだ。そうすればまだ救いようもあるし」
うなだれている犯人に俺はそう言うと彼は静かに頷いた。
その後、警察に行った犯人はおとなしくお縄に着くことに。
麻理奈ちゃんを駅まで送った俺はそこで別れる。しかし俺の中の好奇心が今日一日で大きく動いた。
それはまた後日に話すことにしよう。もちろん行動で示すつもりだ。
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