お帰り下さいませ! 御主人様!

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さてさて。日付は変わり日曜日の休日となりました。 私こと横山 和輝はあることを実行しようと思います。それは! メイド様御堪能観察会! だってアイツがメイド服着て接客してんだぜ!? どこのコメディーだよ! 思いっきり人間観察して楽しんでやんぜ。 ……キモい? いやいや。キモくて結構! 笑いの為ならそんなの関係ありませんからぁ~! でわでわ! 早速しゅっぱ~つ! ハイテンションで家を出た俺は麻理奈が働いているだろうメイド喫茶へと向かった。 商店街に着くと人が沢山歩いている。やはり休日だから人が入り乱れて混んでいるのだろう。 そんな中で俺はメイド喫茶へと向かった。ここ近辺でメイド喫茶なんて一つしかない。探すのは容易なものだった。 目的地に着いた俺の目に映ったのはLoveHeartと書かれた看板が立つメイドカフェ。 意を決して中に入るとそこは全く知るよしもなかった別世界だった。 中に入ると黒のレースを着たコスプレメイドが客に接待している。そして客は決まってオタクばかり。 辺りを見渡す俺に一人の茶髪のメイドが声を掛けてきた。 「お帰りなさいませ、御主人様。御席へ案内致します」 「あぁ……、はい」 初めての体験で緊張しているのか、少し接し方に抵抗がある。 メイドの胸には名札が下げられていて、声を掛けてきた彼女の名札にはカナと書かれていた。 席に案内された俺はそこに座る。 「御主人様? 本店を利用するのは初めてですか?」 「まぁ……はい」 そりゃ初めてだって。二次元みたいな世界は興味なかったからな。 今日だって人間観察が目的だし。
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