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「私、上司を誘惑するような女と思われてたのね」
「あ…ち、ちがっ…」
焦る同僚たちはしどろもどろに言葉を紡ぐ。
「あと…、武井は仕事の“出来る”女よ。少なくとも…貴女たちよりは」
「っ…!」
「鈍臭くても、言われた仕事はちゃんとこなすわ」
玲美さんにそこまで言われる私だけど、実際、仕事は出来ないほうだ。
すぐこけるし、資料ばらまくし、冷めた珈琲を上司に出しちゃうような女だ。
「はっきりいって目障りなのよ、貴女たちみたいな人は」
「………」
「自分の仕事もまともにできないのに、色恋沙汰に浮かれて僻んでるような人間、うちの会社にはいらないのよ!」
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