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つんつん
「ねぇねぇ」
「?」
後ろから何かで突かれながら呼ばれ、振り返ると
「消しゴム落ちたの
拾ってくれる?」
色白で目が大きくてお人形さんのような可愛らしい顔した女子が、シャーペンを器用に指でくるっと回し私にニコッと笑いかけた
「‥あ‥うん」
‥シャーペンで突かれたの初めてだ‥
私は茫然と床に視線を向け、消しゴムを探す
‥が
「‥えーと‥どこに‥」
見当たらない‥
「そこそこ」
と指を差されるが
「‥ないよ」
「あるよ」
「‥え~」
若干面倒くさくなりながら、指の差す方向を目で追っていくと‥
「‥‥‥‥」
あった
私の席の一つ前の席に、ちょこんと落ちてる消しゴムを。
‥遠いよ!
自分でとりにいきなよ!
‥と
ツッコミたい気持ちに駆られたが
私は小さく溜め息を吐き、席を立つ
「はい」
そして拾ってきて渡すと
「ありがとう♪」
と、またニコッと笑った
‥その‥
何の悪びれもない笑顔に、何ともいえない気分になった
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