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―桜の季節になったら、また三人で見にこよーね!―
桜のように‥淡い思い出
満開に咲いた桜を前に、目を細め微笑む
今年も桜が満開に咲いたよ
「はる!」
‥
『はる!』
その時、ふと懐かしい気持ちが込み上げてきて
かな‥?
私は目を見開き、ぱっと振り返る
「‥‥‥‥
‥‥‥渉」
違った‥
私を呼んだのは
幼なじみの古谷渉(わたる)だった
「なんだよ。そのあからさまにガッカリしたような顔は!」
渉は自転車を引いてこっちに向かってきながら、眉間にしわを寄せる
‥だよね
ここにいるわけない‥
わかってる‥
けど‥思ってる以上に沈んでいる自分の心を持ち直すように、無理矢理笑顔を作る
「ガッカリしたような顔なんてしてないよ」
「嘘つくな。おまえはすぐ顔にでるからな‥隠し事しようとしても無駄だぞ」
「‥あは」
「‥で?そのガッカリしたような顔の理由はなんだよ」
「‥うん..
‥一瞬彼方かと思ったの」
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