桜の約束

5/14

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
「‥‥かな‥?」 彼方の名前を出した途端、暖かい風が吹き淡いピンク色の花びらが舞った 「‥あいつがここにいるわけ‥」 「‥わかってる‥ だけど‥はる‥って呼ばれて‥なんだか懐かしくなって、彼方の顔が浮かんだの‥」 「俺だって‥いつも、はるって呼んでんじゃん‥」 私の寂しそうな顔を見て、渉も寂しそうな顔をしていた 「‥だよね きっと、一瞬でも彼方だと思ったのは 桜のせい‥かな」 「‥‥‥‥」 私は満開に咲いた桜を見つめ、温かい涙が頬をつたうのを感じた
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加