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「‥‥かな‥?」
彼方の名前を出した途端、暖かい風が吹き淡いピンク色の花びらが舞った
「‥あいつがここにいるわけ‥」
「‥わかってる‥
だけど‥はる‥って呼ばれて‥なんだか懐かしくなって、彼方の顔が浮かんだの‥」
「俺だって‥いつも、はるって呼んでんじゃん‥」
私の寂しそうな顔を見て、渉も寂しそうな顔をしていた
「‥だよね
きっと、一瞬でも彼方だと思ったのは
桜のせい‥かな」
「‥‥‥‥」
私は満開に咲いた桜を見つめ、温かい涙が頬をつたうのを感じた
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