第一章 ある魔法使いの入学式

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だが真剣な時のおじさんは、男の俺でも素直に格好良いと思う。 全く持って勿体無い。普段がこんなんだから……。 「だからいつまでたっても独り身なんだよ」 「うっ! ……ハッキリ言ってくれるじゃねぇか……」 ビクッと体を震わし、ゆっくりと体を起こしているおじさんの声が震えているのは気のせいでは無いだろう。 ……気にしてたんだな。 「お前何てなぁ! ミーアちゃんを部屋に上げた時に、『アレクのベッド……加齢臭がする……』とか言われてヒかれてフラれればいいんだ!」 「声デケェよ。今何時だと思ってんだよ」 おじさんは、肉体と精神の年齢が噛み合っていない様な気がする。 「大体、フラれるも何もミーアと付き合ってねぇ」 「……は? マジで? 勿体無っ……。あんな可愛い幼なじみ、そういねぇぞ?」 そういないっつーか幼なじみはミーアしかいねぇよ。 いや、まあ確かにミーアは可愛い。美少女と言っても過言では無いレベルだ。 明るい桃色のショートの髪に、ぱっちり開いた大きな瞳。ニコニコと良く笑い、またその笑顔が良く似合う。 胸もそこそこあるし、身長はちょうど俺の肩位でって……あれ? これだけ身体的特徴がすらすら出てくるってことは、俺結構ミーアのこと異性として意識してる? 「さて、アレクが彼女居ない歴=年齢って事実が分かったところで……」 「ほっとけ独身」 「ぐっ! お前また! どうせ課題見てくれって事だと思って、手伝ってやろうと思ったのに!」 「ごめん! 俺が悪かった!」 おじさんはこう見えて頭が良い。 だから、ちょくちょく勉強を見て貰っているため、こういう時になるといつもその事を盾に脅してくる。 汚ない。さすがおじさん汚ない。 ……まあしかし、何だかんだで結局は勉強を見てくれるので、感謝はしている。
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