Red -激昂-

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「突然で勝手なのは分かってる。だけど……」 そこで、大翔は一旦手にしていたコーヒーカップに視線を落とす。 つられて目線を下に向けると、彼の首が視界に入った。 ゆっくり上下した彼の喉仏。 今から吐き出す言葉を確認するかのような唾を飲み込むその様子を見て、私の心臓はドクンッと動き脳にその音を響かせた。 (聞きたくない。) 咄嗟の叫び。 彼に訴えようと彼の瞳まで目線を戻すよりも早く、続く言葉が聞こえた。 「……ごめん。考えて出した結論なんだ。」 考えて出した結論? これが? トドメをさされた。 大翔にとって1年間付き合った私は、一緒について来て欲しい相手でもなければ、待っていて欲しい相手でもなかった、ということ。 相談すらする価値のない存在。 なんだか、情けなくなった。 こんなにあっさり振られてしまう存在でしかなかった自分が。 別れよう? 再び脳裏に浮かんだ言葉。 違う。 別れよう、なんておかしい。
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