2116人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、今日の私はおかしかった。
周りの目なんてどうでもよくなった。見られようと聞かれようと、別に構わない。
思うままに彼へ言葉をぶつけた。
「別れよう、と別れたい、はニュアンスが全然違う。大翔はもう別れると決めてるんでしょ?
そこに私の意思は全く入らないんでしょ?
いい人ぶって『別れよう』なんて提案しないで。
きちんと『別れたい』って言ってよ。 」
そう。
そうなのだ。
彼の中ではもう別れることが決定事項。
そこに私が入り込む隙なんてない。
なんだかそれが無性に癇に障った。
「大翔にとって私は、話し合う必要もないくらいの存在だったってことでしょ?
だから、別れたいって思ったんでしょ。そのくらい分るよ。はっきり言えばいいのに。」
ウザい女だと自分でも思う。
なに逆上してるんだ、とも思う。
どうせ振られるんだから、ここはもうしおらしく泣いて別れを受け入れて、最後くらい可愛い女でいればいいのに。
分かっている。
だけど、止められなかった。
怒り。
今の私を動かしているのは、ただそれだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!