Red -激昂-

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でも、今日の私はおかしかった。 周りの目なんてどうでもよくなった。見られようと聞かれようと、別に構わない。 思うままに彼へ言葉をぶつけた。 「別れよう、と別れたい、はニュアンスが全然違う。大翔はもう別れると決めてるんでしょ? そこに私の意思は全く入らないんでしょ? いい人ぶって『別れよう』なんて提案しないで。 きちんと『別れたい』って言ってよ。 」 そう。 そうなのだ。 彼の中ではもう別れることが決定事項。 そこに私が入り込む隙なんてない。 なんだかそれが無性に癇に障った。 「大翔にとって私は、話し合う必要もないくらいの存在だったってことでしょ? だから、別れたいって思ったんでしょ。そのくらい分るよ。はっきり言えばいいのに。」 ウザい女だと自分でも思う。 なに逆上してるんだ、とも思う。 どうせ振られるんだから、ここはもうしおらしく泣いて別れを受け入れて、最後くらい可愛い女でいればいいのに。 分かっている。 だけど、止められなかった。 怒り。 今の私を動かしているのは、ただそれだけだった。
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