CHAP.1 徳川廉太という男

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「くあぁあーっ」 大きなあくびをしながら ちんたら学校へ向かうのは いたって普通の男子高校生。 「おはよー廉ちゃん!」 そんな男子高校生―廉太に 明るく挨拶をしたのは、 廉太の友達である寿。 「おー。はよー。 朝からほんと元気だなー」 「えへへ」 朝からフル元気な寿に 廉太は感心していた。 というよりも、 いつも感心しているのである。 毎日こうして通学路で会って くだらないことを話し合いながら学校へ向かうのが 2人の日課だ。 「廉ちゃん、 数学の課題やってきた?」 「……あったっけ?」 端から見れば お似合いカップルである。
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