CHAP.1 徳川廉太という男

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現在、彼女ナシ。 というより 過去も今もいない状態だ。 「風間先輩っ」 1年生らしき女子が 絢里を呼び止める。 「はい?」 「私1年の初山っていいます! あの、これ受け取ってください!」 頬を真っ赤に染めた女の子は 絢里に何やら手紙を渡して去っていった。 「いいよなモテ男はっ」 その光景を恨めしそうに見ていたのは 非モテ男子・廉太。 「廉ちゃんってばひがまないのー」 「ひがまずにいられるかっつーの」 この光景を何度見たことか。 確かに絢は同性からしても カッコいいけどさ……。 「あーあっ。 どっかに俺を好きになってくれる子 落ちてないかなー…」 そんな廉太の一言に笑う2人。 「廉ちゃん飢えすぎー あたしは廉ちゃんのこと好きだよ!」 「そーいう好きを求めてんじゃねーの! もっとトキメキのある……」 ぐにゅっ。 靴の裏に嫌な感覚がして 恐る恐る裏を見る廉太。 「げーっ!犬のう○こ!」 「残念だったね、 女の子じゃなくて……」 寿の悲しいツッコミと共に 廉太には更にむなしい歴史が積み重なるのだった。
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