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現在、彼女ナシ。
というより
過去も今もいない状態だ。
「風間先輩っ」
1年生らしき女子が
絢里を呼び止める。
「はい?」
「私1年の初山っていいます!
あの、これ受け取ってください!」
頬を真っ赤に染めた女の子は
絢里に何やら手紙を渡して去っていった。
「いいよなモテ男はっ」
その光景を恨めしそうに見ていたのは
非モテ男子・廉太。
「廉ちゃんってばひがまないのー」
「ひがまずにいられるかっつーの」
この光景を何度見たことか。
確かに絢は同性からしても
カッコいいけどさ……。
「あーあっ。
どっかに俺を好きになってくれる子
落ちてないかなー…」
そんな廉太の一言に笑う2人。
「廉ちゃん飢えすぎー
あたしは廉ちゃんのこと好きだよ!」
「そーいう好きを求めてんじゃねーの!
もっとトキメキのある……」
ぐにゅっ。
靴の裏に嫌な感覚がして
恐る恐る裏を見る廉太。
「げーっ!犬のう○こ!」
「残念だったね、
女の子じゃなくて……」
寿の悲しいツッコミと共に
廉太には更にむなしい歴史が積み重なるのだった。
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