『つばき』
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静まり返る境内は、ただそれだけで独特な雰囲気を持っていた。 緊張からか、酷く喉が渇く… 何となく、誰かに見られているような気配がして、後ろを振り向いた。 『うふふ…』 振り向いた、真後ろから聞こえた笑い声… 間違いない。あの笑い方は椿だ。 けれど、姿は見えない。 もう一度、勇気を振り絞って声を掛けた。 「ねぇ。椿ちゃん、居るんでしょ?」
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