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“Route”と表示されているサイトのTOPページを凝視している一人の女。
眼鏡を掛け、長い黒髪を一つに束ねたポニーテール。
「はぁ……」
重苦しい溜息を吐いては、マウスに置いた右手を動かそうと試みる。
「……はぁ、明日にしよう」
結局TOPページから動くことのなかった“Route”の文字は、無情にもパソコンのシャットダウンの前に姿を消した。
ことの発端は2日前に遡る。
「出張ホスト?」
友達のマリが一枚の紙を持ってきた。
ここは大学のカフェテリア。お茶でも飲もうと誘われて、リンは授業を終え早速やってきたのだ。
「そうそう。
映画いったりぃ、食事にいったりぃ、恋人気分をあじわえる、疑似彼氏、みたいなぁ」
そんなに髪の毛をくるくるしなくてもいいだろう。と、ツッコミたくなるくらい傷んだウェーブを指に巻き付けている。
友人のマリは目が大きい為、一見可愛い顔をしているが、化粧で荒れた肌を隠し、傷みきった明るい茶髪にウェーブをかけたセミロング、ほっそりと言うよりは、ガリガリとちょっと病的な印象を受ける身体つきをしている。
本人曰く、
“ダイエットちぅですぅ”だそうだ。
今時、そのしゃべり方はないだろうと思うが、はっきりと口に出しては言えないのはリンの悪いところだ。
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