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「零崎一賊が一人、零崎虚識です」
「貴様の名前などどうでもいい、零崎」
「取り引きに応じるのか否かだ、零崎」
ライフルに手をかける事もなく、二人は続ける。
それが、二人の余裕を伺わせる。
「名前は大切なんですがねぇ…取り引きとは?」
「簡単な話しだ、零崎」
「零崎軋識を殺せ、そして仲間になれ、零崎」
「断る、ふざけるな貴様等」
ナイフの切っ先を二人に向け、低く、明らかに怒った声で告げる虚識。
「家族を殺す訳ないだろうが、馬鹿か?」
「馬鹿は貴様だ、零崎」
「今のお前が、俺達を倒せると思っているのか、零崎?」
それでもライフルに手を掛けない二人。
虚識は、刃物を下げずに続ける。
「確かに…もう身体はボロボロ、精神はズタズタ、武器も消費が激しい」
「俺達も仲間を失い過ぎた、利害は一致するだろう、零崎」
「仲間になればお前は死なないぞ、零崎」
ハァ、とため息をつく虚識。
呆れたような口調で呟く。
「いや…俺は、あなた達を殺しますよ」
「…聞いてなかったのか、零崎?」
「お前に、俺達は殺せないぞ、零崎」
「殺せるとか、そんなのどうでもいいんですよ…」
髪を書き上げ、真っ直ぐと二人を見ながら続ける。
「俺達は、殺人鬼だ。殺すものは、殺すんだよ!理由なんかいらない」
左角と右角は、ライフルを持った。
「そうか…殺人鬼のファミリー、零崎一賊か」
「なら仕方ない、生かしておく理由も、無い」
『殺すぞ、零崎』
「零崎を始めましょう!左角、右角!」
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