第一章 ~覚醒~

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「あー、暇だなぁ…夏休みにぼっちって…」 俺は、櫻井 空 サクライ ソラ。 まぁ、あいにくと人付き合いも無く…いや、人に興味が無いだけなんだがな。 そんな性格もあって、友達と呼べる奴もいなくて…欲しいとも思わないが。 付いたあだ名は「がらんどう」。 まったく…陰口なのに俺にばれてどうしたいのかね? 「あー…いつもどうりに暇過ぎて困る…よし、駅行くか」 こんな俺の趣味は人間観察。 というか、色んな人間を見てみたいのだ。 そして見つけたい…俺が、興味を持てる奴を。 家族ですら他人の様に思える俺が興味を持つ奴なんて居ないと思っているのだが…まぁ、60億もいればそのうちいるかもしれない。 そんな事もあり、俺は最寄りの駅へ向かった。 家から歩いて10分。 夏の日差しは少々辛いが…まぁ、仕方の無い事だ。 家を出てからの10分間…色んな奴らとすれ違ったけれど誰にも気づかれない。 俺が周りに興味を持たない…不思議と、学校などで一度認知されると気付かれるんだが中々存在に気付かれない。 がらんどう…中身が無い、いや…もしかしたら中身どころか俺は…居ないのかもしれないな。 さて…そんな物思いにふけっていて時間を忘れていた。 時計を見ると、家を出てから30分は経っている。 つまりは…駅で20分は過ごしたわけだ。 「…あれ、なんだこれ?」
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